トレーニングで熱中症対策!
こんにちは、柔道整復師の霜越です。
危険な暑さが続いていて、熱中症になりそうになったというお話もちらほら伺います。
熱中症にならないためにはエアコンをしっかり使ったり、無理に外で活動しないようにすべきですが、身体の体温調節機能をスムーズに働かせるために汗をかきやすい身体にしておくことが大切です。
今回は汗をかきやすい身体作りのポイントをお伝えしていきます!
〇汗にも質がある~良い汗・悪い汗~
体温が上昇したときに身体は体温調節機能を働かせ、汗をかきます。汗が蒸発するときに身体の熱が奪われて体温を下げることができるので、汗をかきやすい人は体温調節をスムーズに行うことができます。
身体は必要に応じて、血液中の血漿から汗を作ります。血漿は99%が水分でそこにわずかにミネラルが含まれるのですが、ミネラルは身体に必要な成分のため汗腺でろ過して血管に戻してから、汗として排出します。こうして、出てきた汗は、ほとんど水に近い状態なのでサラサラとした"良い汗"になります。
普段あまり汗をかかないと汗腺のろ過機能が衰え、本来ろ過されるはずのミネラルも含んだ濃度の濃い"悪い汗"となって、べたつきやにおいの原因になってしまいます。しかも"悪い汗"は大粒になって出てくるため、蒸発しにくく体温調節もうまくいきません。
体温調節がしやすい"良い汗"をかくにはには普段からたくさんを汗をかき、汗腺を鍛える必要があります。
〇汗をかく身体をつくるには"ゆっくりじっくり"
・有酸素運動
毎日20~30分程度、汗ばむくらいの速さでウォーキングなどをするとよいでしょう!
筋トレの習慣がある方は、激しい筋トレなどの無酸素運動でも汗をかきますが、急激に汗腺が働くことになってしまいます。しっかりとろ過をする時間がないため、悪い汗になってしまうので、最初にバイクや軽いHIITトレーニング、サーキットトレーニングなどの有酸素運動をしてから筋トレを行うとよいでしょう。
ゆっくり時間をかけて汗を出し、汗が蒸発する時の気化熱で体温を下げる習慣をつけていきましょう。
・半身浴または手足高温浴で汗腺を鍛える
高温の全身浴では皮膚のセンサーが反応して一気に汗が出るので、汗腺が働かず、悪い汗が出てしまいます。
半身浴の仕方は、37~38度程度のお湯にみぞおちまで10~15分浸かります。ぬるめのお湯なので長時間じっくり浸かることができ、身体の芯から温まり良い汗が出ます。
手足高温浴では、浴槽内にバスチェアを置き、肘下、膝下だけを43~44度のお湯に10~15分浸けます。腕や脚の汗腺は衰えやすいので、これを鍛えることで使われていなかった汗腺が働き出し、よい汗がかけるようになります。
※皮膚が弱い方や温度センサーが衰えがちな高齢者はこれよりも少しぬるめで行いましょう。
・入浴直後にエアコンの当たり過ぎない
入浴後にエアコンで急激に身体を冷やすと、せっかく開いた汗腺が閉じてしまいます。
身体を冷ますときは、うちわや扇風機の風で汗を蒸発させ、自然に体温を下げましょう。エアコンに当たるのは汗が出なくなったあとにしましょう。
熱中症は年齢、体調、病気、水分の摂り方、室内の環境、運動や労働の程度、暑さへの慣れなど、いろいろな要素から起こりえます。
トレーニングや半身浴で汗をかきやすい身体にしておくことは、熱中症になるリスクを減らすだけでなく、健康的に身体の機能を活性化させることにも繋がります。
少しずつでも、良い汗をかける身体になっていきましょう!