一般施術

整骨院や接骨院では、国家資格である柔道整復師が骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷(肉ばなれ)などの治療を行っています。整形外科との大きな違いは、メスを使った切開を行わないことです。東洋医学では、骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷といったケガに対して切開を行わずに、手で患部を探って身体の中をうかがい、元の状態に戻す「整復」という療法が発達していました。その技術を受け継いでいるのが柔道整復師です。柔道整復師になるためには人体の解剖学や生理学といった医学的な知識も求められます。そのため、骨折や脱臼、捻挫・打撲・挫傷、アキレス腱断裂といったケガで、できれば手術を受けたくない場合などにもご相談いただけます。なお、当院には同じく国家資格である鍼灸師のスタッフも在籍しています。鍼灸は身体の状態を改善することに加え、痛みの解消や女性特有のお悩みにも幅広く対応可能です。

徒手整復(としゅせいふく)
と痛み

骨折や脱臼では、ほとんどの場合、大きな痛みに襲われます。柔道整復師が行う徒手修復では、正しい処置を行った後の痛みはありません。手術しないため全身麻酔の必要がなく。安心して受けられることも大きな特徴となっています。

骨折について

骨折について局所的に今まで感じたことがないほど激しい痛みがある、あるいはみるみる腫れてくるようでしたら骨折している可能性がかなり高いと言えますが、ケガをしたその時に骨折したと判断できない場合もあります。血行が良くなると痛みや腫れが強くなるため、中には入浴や飲酒で痛みや腫れが激しくなって驚き、それで受診される方もいらっしゃいます。入浴や飲酒はケガの状態を悪化させてしまうため、強く打撲した場合など骨折が疑われる場合には、レントゲンで骨折していないかしっかり判断してもらうことをオススメいたします。特に子どもやご高齢の方は痛みを感じにくく、あまり腫れないケースがよくあるため注意が必要です。判断に迷った時の方法としては、体の末端から指先で軽く叩いてみるというものがあります。折れているかもしれない場所が腕だったら指先から肘に向けて軽く叩いていきます。叩いた時に痛みが起こる場合には、骨折している可能性が高くなります。

骨折はできるだけ
早く治療を受けること
が重要

骨折したかもしれないと思ったら、整形外科か整骨院をすぐに受診しましょう。痛みや炎症、治りの早さなどが大きく変わってきます。1時間以内の受診が理想ですが、6時間以内でしたらそれほど悪化させずに治せる可能性があります。1日経過してしまうと痛みや炎症が強くなり、治りも遅くなってしまいますし、数日後になってしまうときれいに治すことがかなり難しくなります。

単純骨折(閉鎖性骨折)
複雑骨折(開放性骨折)

傷口が開いていないものが単純骨折(閉鎖性骨折)で、骨折している部分に傷口が開いているものを複雑骨折(開放性骨折)と呼びます。整骨院では主に単純骨折(閉鎖性骨折)の治療を行っています。ただし、単純骨折(閉鎖性骨折)でも整形外科の手術が必要なケースがあります。そのため、骨折した可能性がある場合にはまず整形外科を受診して、レントゲンで骨の状態を確認してもらい、「手術をせずに治療可能」と判断されたら当院にご相談ください。手術が必要ないケースでは、高度な整復を行うことでよいきれいに、早く治ります。また、治癒後に日常動作へ大きな困難がともなう可能性を減らすことができます。

脱臼と捻挫

関節を包んでいる関節包から骨が飛び出てしまった状態が脱臼で、関節包の中の骨が少しずれてしまったものが捻挫です。さまざまな動きをする関節は、柔軟性に富んだ関節包とそれを囲む靭帯によって守られていますが、強い力で関節包が破れて靭帯が切れると脱臼を起こします。脱臼でも放置して悪化した場合には手術が必要になるケースもあります。その場合、全身麻酔というリスクもともないますし、手術の痕も残ってしまいます。脱臼や捻挫も骨折と同様に1時間以内の治療開始が理想です。少なくとも1日以上放置しないでください。6時間以内であればきれいで痛みの少ない修復が可能です。「折れていないから」と軽く考えてしっかり治療を受けないと、痛みや違和感がいつまでも残りますし、10年以上経過してから慢性的な痛みが起こる可能性があります。いつまでも痛みや腫れが引かない場合、一度ご相談ください。

捻挫に正しい整復が
有効な理由

捻挫は関節包内で骨がずれた状態です。湿布薬を貼っておけば大丈夫だと考えている方が多いのですが。腫れや熱といった症状をおさえることはできても湿布薬でずれを治すことはできません。また靭帯が切れてしまっている捻挫では、損傷が時間と共に大きくなっていき、強い痛い腫れが起こる可能性があります。適切な徒手整復術を行い、テープや包帯で固定して関節の腫れと動揺を防ぐことでほとんど痛みなく、以前と変わらない動作ができる状態に戻すことができます。再発を防ぐためにも、きちんと治療を受けましょう。

打撲

打撲なにかにぶつかってあざができてしまうことは、だれもが経験のあることです。ただし、打撲があると動作が自然に制限され、新しいケガにつながりやすい状態です。また、数日経過してから内出血がひどくなるケースもあります。打撲には鍼灸やテーピングが有効ですし、簡単な治療で状態がかなり改善することがほとんどです。

挫傷(肉離れ)

筋肉が部分的に切れてしまった状態です。完全に切れてしまうと筋断裂となります。挫傷や筋断裂は湿布では治すことはできません。そのため、正しい位置に整復することが重要になってきます。

アキレス腱断裂

腱は筋肉の終端にある部分で、アキレス腱はカカトについている腓腹筋・ひらめ筋・足底筋というふくらはぎの筋肉の端です。アキレス腱断裂はふくらはぎの筋肉が極限まで疲れている時に起こりやすく、スポーツやダンスなどの際に無理をしてというケースが目立ちます。完全に断裂してしまった場合にはかなり大変な外科手術が必要になります。また、アスリートで今後も活躍したいとお考えの方の場合は、部分的な断裂でも手術をおすすめしています。ただし、手術痕が残ることが気になるといったケースで部分的な断裂の場合、整復による治療も有効です。